日本財団 図書館


 

劇団たんぽぽ創立50局年を祝して

003-1.jpg

静岡県教育委員会 教育長 大野忠

このたびの「劇団たんぽぽ」創立五十周年記念、誠におめでとうございます。
心よりお祝い申し上げます。「劇団たんぽぽ」は、浜松市御出身の故小百合葉子先生により、戦後間もない時期に創設され、演劇を通じて荒廃の中に一筋の光明と潤いを与えてくださいました。
以後、幼い時期に「たんぽぽ」の公演に触れた子供たちの感動や感銘は、快い記憶となって人々の心に刻まれ、親となっても次世代に語り継がれるといった、心の琴線に触れる演劇を常に公演されてこられました。
ひとくちに五十周年といいましても、ことばにならない御苦労がおありであったろうと存じます。しかし、この半世紀にわたる歴史の中、草の根の活動をこつこつと続けられた結果、夢を与えられた子供たちの数は膨大なものとなり公演回数も全国で延べ三万回を超えたということをうかがい、その偉大な足跡に改めて敬意を表するものであります。
近年は、団員の皆様の活動がさらに活発となり、創作・脚色による新作発表に意欲的であるばかりでなく「教師のための朗読・音読勉強会」等も全国的に手掛けられ、地域の文化振興にも御尽力されております。
また、国内のみならず、中国、フランス、アメリカ、ロシア等の児童期団関係者との親交により、国際的にもはばたいておられるなど、劇団全体に創造のうねりが漲っておられます。
この新しい創造のうねりが礎となり、さらに次世代に向けての香り高い芸術文化の花が咲きますよう、お祈りを申し上げましてお祝いのことばとさせて頂きます。

003-2.jpg

浜松市教育委員会 教育長 河合九平

「劇団たんぽぽ」創立五十周年の尊い歩みを祝う記念公演,龍の子太郎』のご盛会を心からお慶び申し上げます。創立主宰者故小百合葉子女史が”子どもたちに夢を”と願われて、実績を積まれた貴劇団半世紀の足跡は、戦後日本の歴史と軌を一にするもので、悲願であった平和な文化国家実現に貴重な草の根的な活動として大きな貢献をされました。
村から村へと、山間僻地の子どもたちをはじめ、全国の小、中学生に児童演劇の感動を与え、希望をもって生きる力を育てられた永年に及ぶ数々の「教育演劇」の熱演は、いま最も求められている”生きた学習”の先導的実践であると深く故意を表します。語り伝えるべき民話の意義を、”たんぽぽの綿毛”のように、全国の子どもたちの心に広める日本縦断公演の大成功と貴劇団の益々のご発展、こ隆盛を心から祈念申しあげてお祝いのこ挨拶といたします。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION